乳頭混乱って何?


● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

乳頭混乱って何?

母乳&ミルクの混合育児をしていて、よく問題になるのがこの「乳頭混乱(ニップルコンフュージョン)」です。これは文字通り、赤ちゃんがママのおっぱいと哺乳瓶の違いに対して混乱を起こしている状態をいいます。出産後、早い時期に病院側から哺乳瓶を与えられた場合に乳頭混乱になるのですが、一回でなる子と、何回哺乳瓶を与えられてもならない子との差が大きいようです。

ママのおっぱいと哺乳瓶では、飲み方が異なるのをご存じですか?


・おっぱいの飲み方・・・ママの乳首をのどの奥まで引き込んで舌を乳首に巻き付け、しごくようにしておっぱいを飲みます(だから、伸びが悪く固い扁平乳頭や陥没乳頭などは吸いにくいと言われています)

・哺乳瓶の飲み方・・・吸うだけでミルクが出てくる仕組みになっています。つまり、母乳ほどあごや舌をあまり使わず、楽に飲むことが出来ると言うことです(だから、哺乳瓶の乳首は慎重に選ばなければなりなせん)


ママの乳首には、おっぱいの出口が5〜10個以上もあるのに対し、哺乳瓶はひとつしかありません。ママのおっぱいはシャワーのようにふわっと出てくるのですが、哺乳瓶は違います。根本的に構造が違うものを同時に与えられると、赤ちゃんはとまどいます。そして楽な方を好むようになるのです。大人でもそうですよね。


乳頭混乱の問題点について

産まれた直後の赤ちゃんは、どんな乳首でも吸い付くことができると言われています。しかし、安易に哺乳瓶を与えると「哺乳瓶の方が楽に飲める」ということを学習します。しかも産後間もないママの乳首は十分に伸びないことが多いため、飲むのが大変!余計に哺乳瓶が良く思えてしまうのです。また、頭のいい赤ちゃんだと「おっぱいの後には哺乳瓶がもらえる」ということを理解しています。その結果、おっぱいを拒否したり真剣に吸わなくなるのです。(私は、分娩台の上で初めての授乳をしました。その時は力強く吸い付いてくれたのに、母子同室になるまでの2日間に哺乳瓶を与えられたためか、おっぱいが口に触れただけで激しく泣いて抵抗するようになりました)

・混合を続けているうちに、ズルズルとミルクの量が増えた。

・気がついたら、いつの間にかミルクオンリーになってしまった。

・おっぱいを吸ってくれないので、仕方なくミルク育児に切り替えた。

・・・これらは実際良く耳にする話。混合で一番よくあるパターンなのです。こうして考えると、乳頭混乱は、母乳育児がうまくいかない最大の原因かもしれませんね。もちろんミルクが悪いのでもなく、哺乳瓶が悪いのでもありません。母乳育児について適切な指導がなされていないから、赤ちゃんは乳頭混乱をおこすのです。

母乳育児がうまくいかないのはママのせいではありません。ママのおっぱいを吸う練習を始めたばかりの赤ちゃんに、安易に吸いやすい哺乳瓶を与える病院側に問題があるのです。赤ちゃんはママのおっぱいが大好きです。吸いたいのに吸えない、だから泣くのです、ママのおっぱいが嫌いだからという理由ではありません。そして、この乳頭混乱は克服できます。安心して下さいね。



● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●