● ● ● 『 新 生 児 メ レ ナ 』 っ て 何 ? ● ● ●


「新生児メレナ」という病名を聞いたことがありますか?

この病気は、その名の通り新生児期特有の病気です。体内のビタミンKが不足することによる消化器官内出血が大きな特徴で、吐血や下血といった症状が現れます。特に生後3週間以降に発症すると、頭骸内出血を引き起こす可能性が高まり、重症だと後遺症が残ることもあります。最悪の場合は死亡するケースもあるという、大変恐ろしい血液の病気です。

血液中にはいくつかの血液凝固成分があるのですが、そのひとつがビタミンKです。新生児期は体内でのビタミンK合成がうまくできないため、これが不足すると血液がうまく固まらず、上記のような症状があらわれます。

うちのチビ助は、生後3週目に入った時にこの病気に罹りました。現在は、退院時にビタミンKシロップを投与するため、罹患率は減ってきているそうですが、それでも4〜5000人にひとりの割り合いで罹るそうです。患者は特に母乳の子が多いのですが、その理由は「母乳にはビタミンKが少ないため」です。

チビ助が発症した頃はまだ母乳育児が軌道に乗っていませんでしたが、母子共にやっと扁平乳首を克服し、瀕回授乳を心掛けていた時。

ところが診察を受けた病院で、その瀕回授乳が悪いと頭ごなしに言われました。医師曰く「大人でもしょっちゅう食事をしていたら胃がおかしくなる。この子も瀕回授乳によってそういう状態にされてしまっている。だから吐血するんだ」とのこと。

この病気の一番の原因はビタミンK不足のはず。


瀕回授乳は昔から繰り返されてきた授乳方法だし、瀕回といっても1日12回ほど。それなのに何の検査もしないうちから「母親が悪い」ような言い方をされました。医師だけでなく、看護婦さんたちも同じことを言います。「間隔があかないってことは母乳が足りてない証拠。瀕回授乳はやめてミルクを足せばいいのに」と・・・。

何も言い返せず、落ち込みました。
産まれて間もない、こんな小さな子どもが吐血しただけでもショックなのに・・・。

それからは母乳育児に自信が持てなくなってしまい、本来なら楽しいはずの授乳の時間が苦痛な時間になりました。毎日「この子がこんな病気になったのは、私のせいなんだろうか」と思いながら、母乳育児をあきらめる決心もつかないまま。母乳育児がこんなに大変だなんて思いもしなかったし、子どもの病気は「母親の責任」に見られるんだと思い知らされました。

幸いチビ助の病気はそれほど重症にならず、毎日通院して検査と投薬を繰り返したことにより完治しました。

でも周りの子育て経験者は言いますよね、「病気をさせないようにしなさい」って。そんなこと分かってるんですよ。可愛いわが子を病気にしたくてさせてる母親なんていないし、万が一病気にでもなってしまったら、一番心を痛めてるのは母親なんです。

お医者さんももう少し言葉を選んでくれたらなぁと思ったものです。