オルファ(俺:トレーナー セフィー  :トロピウス レーナ   :ギャロップ アルス   :ボスゴドラ ミル    :ミロカロス セレン   :サンダース フィン   :オオタチ  ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 七月七日、七夕 星空の恋人たちが再会出来る年に一度の特別な日。 なのだが―― オルファ「雨・・・か・・・」 俺は窓の外を見ながらつぶやいた。 今日は、朝から雨が降り続いている。 まぁ仕方ないといえば仕方ない。 旧暦ならばともかく、新暦の七月七日はまだ梅雨の明けきらない時期だ。 実際、七夕に雨が降ることは少なくない。 昼過ぎになっても雨の止む気配は無かった。 セフィー「雨、止まないね」 セレン 「せっかく笹も短冊も用意したのに・・・」 フィン 「これじゃ願い事叶わないかなぁ」 レーナ 「あのね・・・そういう事じゃないでしょうが」 アルス 「雨が降ると、織姫が彦星に会いに行かれなくなっちゃうのよ」 みんなのそんな会話を聞きながら、俺はもう一度灰色の空を見上げる。 年に一度しかない再開が、雨で無くなるなんて悲しすぎるよな・・・ そんなことを思ったとき、後ろから袖を引っ張られた。 振り向くと、ミルが不思議そうに首を傾げていた。 ミル  「ますたー、どうしてあめがふると、あいにいけなくなるの?」 オルファ「ん?ああ、天の川は流れが速くて普通は泳いでわたったり出来ないんだ。      それを一年に一度だけ神様が流れを緩めてくれるんだけど・・・      雨が降ると、川の流れが治まらなくて、渡れなくってしまうんだ」 ミル  「そうなんだ・・・なんだか、かわいそう・・・」 セフィー「織姫にも翼があればよかったのにね。わたしみたいに」 今の話を聞いていたのか、セフィーがつぶやいた。 セフィー「そうしたら、いつでも彦星に会いにいけるのに・・・」 翼・・・か・・・ もし本当に織姫に翼があったら、二人を隔てた天の川は何の戒めにもならないだろうな そんなことを考えながら、俺はまた雨の空を見上げた。     「・・・ちゃん、・・・て」 ん・・・? セフィー「お兄ちゃん、起きて?」 あれ、いつの間に寝ちゃったんだろう・・・ 目を開けるとセフィーが俺の顔を覗き込んでいた。 セフィー「あ、起きた?外見てみて、外」 オルファ「外・・・?」 セフィー「うん、早く早く」 俺はセフィーに言われるままに窓を開けた。 オルファ「これは・・・」 俺の目に飛び込んできたのは満天の星空だった。 その真ん中に、光の川が燦然と輝いている。 セフィー「ね?すごいでしょ」 オルファ「ああ・・・すごく・・・きれいだ・・・」 こんなにきれいな星空を見たのは久しぶりだ。 俺達は、しばらくその美しい光の空に見とれていた。 セフィー「あっ流れ星!」 どれくらい経っただろうか 不意にひとつの星が、星屑の川を横切った。 オルファ「きっと、織姫が彦星に会いにいったんだろう」 セフィー「うん、そうだね・・・きっと・・・」 俺は夜空を見上げながら、そっとセフィーを抱き寄せた。 セフィー「ねぇ・・・」 オルファ「うん?」 セフィー「大好きだよ・・・えへへ////わたしの彦星」 オルファ「・・・俺も、大好きだよ・・・俺の織姫」 いつもと同じようで、いつもと少しだけ違うやりとり。 今日はいつもより、少しだけいい日だった。 でも、きっとまた、明日もいい日だろう。 おまけ レーナ 「まったく、あの二人ったら私達がいること忘れてるんじゃないの?」 フィン 「そんなこと言って〜、レーナ姉も言ってほしいんでしょ?『俺の織姫』ってさ」 レーナ 「なっ!////ち、違うわよ!そんなこと思うわけ無いでしょ!」 セレン 「え〜?わたしは言ってほしいなぁ・・・」 ミル  「セフィーおねえちゃん、いいなぁ・・・」 アルス 「ほらレーナ、素直が一番よ?」 レーナ 「う、うるさいわね!ほらっ、夕飯の支度するから手伝いなさい!」 フィン 「・・・逃げたね」 セレン 「うん、逃げた逃げた」 ミル  「にげた・・・」 アルス 「ふふふ・・・」 レーナ 「い、いいから手伝いなさーい!」 四人  『は〜い』 うん、きっと明日もいい日だろう。